
前回までの話をまとめると、
・人間にはセルフ1とセルフ2が存在し、やかましいセルフ1を落ち着かせ、セルフ2にすべてを任せれば自分の思うようにプレーできる
・また左脳と右脳ではそれぞれ役割が異なり、運動学習を効率よく行うには右脳を最大限に働かせる
・そして、そのためにはプレー中何かに集中することが大事であり、テニスの場合、集中の対象はボールがよい!
ということでした。
最初に言っておきますが、この集中の効果は本当にすごいです!
ボールへの高い集中力の発揮の仕方を覚えれば、必ず上達します!
というか、実は上手い人と、下手な人の違いは、ボールへの集中力が高いか低いかそれだけなんですね。
上手い人ほど集中力が高く、またその状態を途切らすことなく持続できるのです。
しかも、この集中力には上限がないので、高めれば高めるだけ、プレーは向上します。
あなたは「ゾーン」というのをご存知でしょうか?
これは一流のアスリートが時に経験するもので、「無我の境地」と言い換えられます。
この状態に入ったプレーヤーは、
「ミスする気がしない」「どんなボールでも打てる気がする」
「ボールがサッカーボールくらい大きく見えた」
などの体験をします。
こうなれば、まさに無敵モード(笑)。
ゾーンとは、ある種の高い集中状態だと言われています。
つまり、あなたも高い集中力を発揮する方法を覚えれば、
このゾーンに近いような境地に入ることができるかもしれないのです。
さて、それではそんな高い集中状態に入るためにはどうすればいいのか、という話になるわけです。
まず、大きく分けて、二つの方法があります。
①視覚を利用した集中方法
②聴覚を利用した集中方法
まずは視覚を利用した集中方法について、詳しく見ていきます。
人は見えにくいものを注意して見ようとするときに、集中力が高まるという傾向があるようです。
そこで、ボールを見るときも、できるだけ見えにくいものを見るようにします。
たとえば、「縫い目の動き」を注意深く観察するようにします。
他にもボールのケバを見るのも集中力を高めるとても良い方法です。
慣れてくると、本当にボールが止まって見えるような感覚になることがあります。
そうなれば、ボールに対して高い集中力を発揮できていると言えます!
次に聴覚を利用した集中方法についてです。
ボールの音をよく聴きます。
地面にバウンドした音、そして実際にボールをラケットで打った時の音です。
まず大事なのが、両者の音の「リズム」。
バウンド・ヒット、バウンド・ヒット、バウンド・ヒット・・・・
ずっと両者の音を聴くことだけに集中します。
そうすれば自然と集中力が研ぎ澄まされていくはずです。
そしてもう一つ、自分がボールを打つ時のインパクト音自体をよく聴くことです。
ど真ん中で打った時の音、少し芯を外して打った時の音、スピンでボールを打った時の音・・・
それらの音の違いに敏感になってください。
そして驚くことに、ずっとそうやって音の違いに耳を澄ましていると、だんだんと、気持ちのいい音をセルフ2が再現するようになります。
今回紹介した方法が、ボールに集中するための基本的な方法になります。
次回からはさらに細かく、これらの集中法を見ていきます!