KEITAの物語 第二章 第三話

テニス追加28

 

第二章
「団体戦メンバーとしての最後の戦い

~圧倒的実力差のある相手に挑んだ3カ月間の記録~」

第三話

「実力の違いを見せつけられた前哨戦…

さらにリターンに非常事態?

…それでもやるしかない!」

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前回のストーリーはこちら

 

僕たちはその後はダブルス1として、

チームを引っ張っていくことになります。

 
1カ月ちょっと組んでいく中で、

だいたいお互いのプレーのこともわかってきました。

 

ペアの彼は、やはり非常にセンスがあると思いました。

 

ボレーのタッチなども素晴らしく、

リターンから前に詰めてプレッシャーをかけていく

積極性もありました。

 

課題はポジショニング。

 

やはりもともとシングラーで、

ダブルスの細かい動きに慣れていない部分がありました。

 

あとはサーブ。

 

怪我がなかなか直らず、

前のように威力のあるサーブを打つことができませんでした。

 

 

そうすると、

その後のファーストボレーなど

プレー全体に影響を与えることになります。

 

それでも僕は彼の可能性を信じていました。

 

昔から彼の勝負強さは

天性のものを感じていましたし、

もう少しプレー全体の安定感を高めれば

一気に「爆発」できると思いました。

 

二人でポジショニングやカウントごとの動き、

特にサーブ後リターン後の「3球目」には

意識を高くおいてやっていました。

 

ポイント前に毎回二人で次のサーブのコースや、

その後の動きについて打ち合わせていました。

 

しかし、ラリーとして展開した後の、

2人の細かい役割分担やポジショニングについては

特に決めることはしませんでした。

 

ラリーになったら、

個人の独自の判断で動くことを基本にしていました。

 

僕たちは多くのダブルスペアとは違い、

「横割り」ではなく

「縦割り」の考え方を基本にポジションをとっていました。

 

「ひとりで半面を守る」そういう考え方です。

 

これには賛否両論あると思いますが、

そうした方がもともとシングラーである僕と

彼の感性というか、

「予測(アンティシペーション)」の能力が

活かせると思ったのです。

 

その方が相手の態勢や動きに合わせて、

より臨機応変な対応ができるだろうと・・・。

 

しかし、この「縦割り」のダブルスでは

より「個」の力が重要視されます。

 

「横割り」ダブルスのように

お互いをカバーし合うことを想定していないからです。

 

しかし、僕が理想とする

「二人で壁を作る」ダブルスは、

この考え方ではじめて実現するものなのです。

 

今思えば僕の方からもっとこうしてくれと

指示を出すべきだったかもしれませんが、

この形を選択したことは間違いだったとは思っていません。

 

多くのプロの試合を見る中で、

この形がダブルスでは「最強」であると、

僕は確信していたからです。

 

そんな中、僕たちは4月の「前哨戦」に臨むことになります。

 

5月からの大会本番に向けて、

ここは是が非でも勝利して、

自身と勢いをつけたいところです。

 

相手は去年の本大会決勝で

僕たちが激戦の末倒した因縁のチーム。

 

強豪であることは間違いありません。

 

しかし、今年の決勝で当たるとされている相手は、

さらにその上を行くことを考えれば、

ここで負けるわけにはいきません。

 

運命のオーダー発表…僕たちの相手は…

「大学内個人戦ダブルス王者!」

と普通の人(笑)。

 

予想はしていましたが、

チーム事情から「強い弱いペア」で来ました。

 

実はこのペアの片割れの「学内ダブルス王者」とは、

去年の12月に行われた別の団体戦でも対戦していました。

 

その時はお互いペアは今のペアではなかったのですが、

スコア4ー7でサスペンデッド・・・。

 

そのまま試合が続いていたら、

負けていた可能性は高かったのですが、

どのゲームもデュースにもつれる接戦で

「相手がチャンピオンだろうとやってやれないことはない」

という感触でした。

 

一人がダブルスの実績がすごかろうと、

ダブルスはダブルス。

 

二人の息が噛み合わないと簡単には勝てないのです。

僕はそのことを前回の対戦で身を持って学んでいました。

 

「よし、今回は勝つ!」

 

僕は気合いを入れて試合に入りました。

 

しかし、蓋を開けてみると、

僕たちはダブルス王者の

「圧倒的なプレー」に苦戦を強いられることになります。

 

強烈なサーブとリターン、

そして極めて攻撃的なボレーとポジショニングで、

試合開始から一気にたたみかけてきたのです。

 

豪快なプレーの割に、その精度も極めて高く、

正直ここまでのプレーは予想していませんでした。

 

1ゲーム目は僕のサービスゲームで、

ここをデュースの末に落とすと

流れは完全に向こうのペースに・・・。

 

それに加えこの日の僕は、

普段なら得意なリターンが

相手のサーブに全く合わない・・・。

 

しかも、久々の団体戦ということで、

そのある種異様な空気に完全に呑み込まれてしまった僕は、

一人完全にひよっていました。

 

それに対してペアの方は調子がよく、

彼のサービスゲームでは僕もポーチで援護し、

なんとかキープするものの、健闘もそこまで・・・。

 

僕は最後まで自分を見失ったままで、

結局スコア1ー8で文字通りの完敗を喫してしまったのです。

 

相手の予想外の驚異的なプレーもさることながら、

僕は自分自身の不甲斐ないプレーに

しばしの間絶望していました・・・。

 

僕はとにかくペアに対して

申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

 

前日の夜にまで、

彼には自分の練習に付き合ってもらっていたのに、

今日の僕の散々たるプレー・・・。

 

「今日はほんとにごめんね・・・」

 

「まあ本番じゃなくてよかったっすよ。

おれは今日強いペアと試合できてちょっと掴めたんで、

また次頑張りましょー」

 

この時は彼の前向きな言葉が、

ただただありがたいと思いました。

 

結局この後チーム的には勝利を納めるのですが、

想定外のところを落としたりと課題も残りました。

 

「この前哨戦を圧倒的な力の差で勝つことができれば、

本番も優勝できるかもしれない」

 

そう話していた僕たちは、

つかの間の勝利に喜ぶ余裕もありませんでした。

 

特に今日負けてしまった僕は、ただその他の

「今日勝ってくれたメンバー」に感謝するとともに

「もう二度と負けることは許されない・・・」と、

気持ちを新たにしたのでした。

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今回も最後までお読みいただき誠にありがとうございました!

 

大事な前哨戦でまさかの「完敗」を喫してしまったKEITA…。

 

しかし、ここで落ち込んでいる暇はありません!

 

どうして負けたのか?

 

その敗因を的確に分析し、

しっかりとフィードバックして次に生かさなければ

今日試合をした意味がありません。

 

3カ月前のミーティングから始まり、

KEITAなりの「計画」をたて、

それを「実行」してきました。

 

それまではセレクションでも勝ち、

比較的順調な「評価」だったわけです。

 

しかしこの前哨戦という、

今後を大きく占う「評価」ポイントでは

自分がイメージした通りの結果を出すことができませんでした。

 

だからといってここでヤケクソになってしまっては、

適切な「処置、改善」ができず、

今までうまくいっていた

「PDCAサイクル」がそこで壊れてしまいます。

 

うまく行かなかった時こそ、

その理由を必ず明確にしなければなりません。

 

それをしっかりと見極めることができれば、

その「改善策」をこれまでの「計画」に組み込み、

問題の解決へとつなげることができます!

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さあ、次回KEITAはどこに問題点を見いだし、

それを改善するためにどのような行動をとったのでしょうか?

 

次回第四話乞うご期待ください!

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