KEITAの物語 第一章 第一話

テニス追加29

 

第一章
「大学デビューの男が憧れの団体戦メンバーへ!

どん底からの大逆転劇!」

第一話

「ボールが全く入らなくなった…

高校時代の大スランプ再び…そして絶望…

”もうテニスができないかもしれない”」

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KEITAの物語【序章】はこちら

 

僕は一年間の浪人生活の後、

都内の大学に進学しました。

 

僕は早速テニスができる環境を探しました。

 

はじめから大学内のサークルでテニスをしようと思っていた訳ではありませんでした。

 

テニススクールやその他のテニスクラブも検討していました。

 

しかし、結局大学の入学式で勧誘された今のサークルに入ることにしました。

 

大学のテニスサークルといえば、

中にはほとんど練習せず、

飲み会ばかりしているようなところもあるみたいです。

 

しかし、ここは「勝ち」に向かって

皆が真剣に練習していたので、

そこに魅力を感じました。

 

入ってみてわかったのですが、

僕のようにソフトテニスを本格的にやっていたような人は、

かなり珍しかったみたいです。

 

最初は「軟式で強いやつが入ったらしい」という情報が

サークル内に広まったらしく、

それがいつの間にか飛躍して

「軟式でインターハイに出たやつが入った」

に変わっていてびっくりしました。

 

そのことを話されるたびに、僕は

「インターハイは出てないです(笑)。」

と改めて自己紹介していました。

 

しかし、そのように多少「異端児」として、

注目を集めたものの、

今のサークルでは高校時代のような

「プレッシャー」はありませんでした。

 

周りは「初心者にしては少しうまいやつがいるなー」程度の認識で、

過度な期待もなく、僕は周りの目など気にせず

自由に練習することができました。

 

技術的にも、特に硬式のグリップやスイングを身につけるのに抵抗はありませんでした。

 

一年間ソフトから離れていたし、その間に雑誌やYoutubeを見たりして、

硬式をプレーするイメージが多少はできていたので、

身体はなまっていましたが、違和感は感じませんでした。

 

例の「イップス」も、

一年間の休息と新しく硬式の打ち方を身につけたことで、

その症状が出ることはありませんでした。

 

この頃はまた自分が「自由」にテニスができるようになったことが

とにかくうれしく、ただ夢中で練習していました。

 

誰も自分を知らない、

誰も自分を縛らない、

また0から「上」だけを目指して行ける。

 

この時の僕は、ただただそのことに喜びを感じていました。

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そんな伸び伸びと練習する中でも、僕は

「必ずまたおれは強くなる」

と、密かに闘志を燃やしていました。

 

僕の目下の目標は団体戦のメンバーに入ることでした。

 

うちのサークルは非常に団体戦を重視しており、

春に行われる大学内の団体戦と、

秋に行われる関東連盟の団体戦両方で

優勝する事を毎年最大の目標にしており、

それに向かって日夜練習に励んでいました。

 

その団体戦を重視するサークルのスタンスが

僕の気持ちをさらに、熱くさせました。

 

「高校の時は団体戦ではほとんど勝てず、

仲間に申し訳なかった。

今度こそ自分がサークルの柱となって

優勝に貢献したい!」

 

もちろん、最初はメンバーに入れるはずもなく、

先輩たちの戦いを応援する日々でした。

 

大学は応援がコートの中に入って

選手とハイタッチしたりなど、

高校の時とは違い、選手と応援が

特に一体になれる感じがしました。

 

そんな多くの声援の中、

勝利をあげる先輩たちの姿を見るたびに、

僕も「いつかこの舞台に必ず立つ!」

という想いを強くしていきました。

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僕の一年目は順調でした。

 

「ただ上を目指すだけ…」の環境で、

僕の実力は右肩上がりに伸びでいきました。

 

8月には団体戦メンバー経験もある選手に勝つことができました。

 

秋の関東連盟の団体戦のメンバーを決める選考合宿にも、

はじめは呼ばれる見込みがなかったものの、その活躍が認められ、

滑り込みで急遽召集されることになりました。

 

僕は硬式に転向して、

わずか4カ月で団体戦メンバーになるチャンスを掴んだのです。

 

このように僕の大学生活は順調に進んで行きました。

 

僕は再びかつての「自信」を取り戻しつつありました。

 

高校時代の「イップス」の症状とも無縁で、

すでに僕にとってそれは「過去の出来事」になっていました。

 

しかし、そんな順調に見えた生活にも

やがて終わりはやってくるのです・・・。

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それは忘れもしない、大学2年の6月、

初夏の兆しが感じられ、少し汗ばむ季節でした。

 

僕はある草トーに密かに参加していました。

 

サークルの対抗戦が間近にせまっており、

代表メンバーに入るための部内戦を勝ち抜くために、

少しでも実戦経験を積むためでした。

 

しかし、実はこの時すでに僕には忘れかけていた

あの「嫌な感触」が蘇ってきていたのです。

 

僕は驚愕しました。

 

やはりその症状はフォアハンドに出ました。

 

「自分の中の鮮明なイメージとの誤差、

腕が思うように動かない・・・。」

 

自分の身体に起こった確かな「現実」が

二度と思い出したくなかった高校時代の

あの「悪夢」を僕の脳裏にくっきりと呼び起こしました。

 

「嫌だ!やめてくれ!もうあんな悪夢はみたくない!」

 

僕は再び蘇った「症状」を認めることが、できませんでした。

 

だから一人密かに草トーに参加したのです。

 

練習ではある程度誤魔化すことはできますが、

試合となるとそうはいきません。

 

そこであえて試合の場に立つことで、

今の自分に起こっている現実を見極めようと思ったのです。

 

そのため試合結果などは二の次でした。

そういう意味ではノンプレだったのですが・・・。

 

「きっとただ意識しすぎていただけさ。

ノンプレの状態で打てばきっといつもみたいにボールが打てるはず・・・。」

僕はそう信じていました。

 

・・・しかし、その希望はこの後、

粉々に砕かれることになるのです・・・。

 

ボールが全く入らない。

 

その日の僕の状態を言葉にすると、まさにそんな感じでした。

 

そしてこれが僕につきつけられた現実だったのです。

フォアハンドに来たボールはまず「入れる」ことができない。

 

今まで散々入れる練習をしてきて、

そのスイングイメージは鮮明なのに、

何故か身体がそのイメージ通りに動いてくれない。

 

ショットは暴発を繰り返し、特大アウトの山…。

 

この時も僕のプレースタイルはフォアハンドを支柱にしていました。

 

軟式時代の豪快なスイングで振り切るフォアハンドは

サークル内でも多くの仲間が武器と認めてくれていました。

 

それがまさしく「打てばミス」の状態。

初心者の方がまだコートに返すことはできたでしょう。

 

それすらもできない…。

 

結局その日はリーグ戦で3試合して無残にも全敗。

試合どころではない散々な内容でした。

 

 

僕は負けた後すぐにその足で壁打ち場へと向かいました。

 

僕はショットの調整にはよく近所にある壁を使って練習していたので、

「そこで打てば直るかもしれない!」そう思ったのです。

 

まさに壁打ちに「最後の望み」をかけたのです。

 

しかし、僕は愕然とします。

 

壁打ちすることが「できなかった」のです・・・。

 

スイング軌道や力を入れる感覚がわからず、

ボールが全くコントロールできないのです。

 

壁に届く前に手前でバウンドしたり、

高い壁のそのまた上についているネットに引っかかったり・・・。

 

そんな感じでなんと2球も続けることができないのです。

 

「終わった」

 

本当にこの時はそう思いました。

 

何より、こんな状態ではもうテニスはできない・・・。

しかも、この苦しみは誰にも理解してもらえない。

 

今のままプレーを続ければ、

また高校時代のように

「孤独な闘い」を強いられることになる。

 

・・・そう考えると、

僕は生まれてはじめて

テニスを本気でやめようと思いました。

 

「やめる?なんでおれがテニスをやめなくちゃいけないんだ?」

 

受け入れられるわけない、こんな現実…。

現実だとしたら酷すぎる。

 

おれは強くなりたいんだよ!

チームのために勝ちたいんだよ!

チームの誰よりもそう思ってる。

 

自信なんかじゃない、確信。

奢りでもない、事実だ!

 

だから誰よりも練習している

誰よりも強くなりたいから

誰よりも勝ちたいから

誰よりもテニスが大好きだから

 

それなのに…

「どうして俺なんだろう」

怒り、悲しみ、空虚感…

 

様々な感情が一斉に押し寄せてくるのを感じました。

 

静かな初夏の夕暮れ、

僕は目の前の大きな壁を前にし、

一人立ち尽くすしかありませんでした。

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ここまでお読み下さり、

誠にありがとうございました!

 

順調に見えた大学生活の中、

またしてもKEITAに訪れた「悪夢」!

 

絶望に打ちひしがれるKEITAでしたが、
ここから「奇跡」の逆転劇が始まるのです!

 

果たして「悪夢」を克服するために

KEITAは何をしたのでしょうか?

 

次回第二話も乞うご期待ください!!

 

 

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