KEITAの物語 第二章 第一話

テニス追加28

 

第二章
「団体戦メンバーとしての最後の戦い

~圧倒的実力差のある相手に挑んだ3カ月間の記録~」

第一話
「二連覇の夢に立ちふさがる圧倒的な壁!

勝つ方法を考えよ!」

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KEITAの物語【序章】はこちら

KEITAの物語【第一章】はこちら

 

大学3年の1月のある日、

僕は大学の会議室の一室にいました。

 
5月に行われる大学内の団体戦に向けて、

毎年この時期にメンバー候補が男女ともに集まり、

今後の方針を決定するためのミーティングを開くのです。

 

いわば、ここからがスタート。

 

秋の関東団体戦が終わり、つかの間のオフを挟み、

早くも次は春の学内団体戦優勝に向けて歩み始めるのです。

 

久々に顔を合わせる人も多い中、

最初はわいわい談笑ムード・・・。

 

しかし、話し合いが進むにつれて

だんだんと会議室の空気は重苦しくなっていきました。

 

「これ勝てなくね?」

 

おそらくその場にいる多くのメンバーがそう思ったことでしょう。

 

目の前のホワイトボードに書かれた決勝で当たるであろう

相手サークルの面々は、まさに最強軍団だったのてす。

 

もともと粒揃いと評判だった代が幹部代となり、

さらにその一個下の代に強力なルーキーが数名加入。

 

その分ますます戦力が補強された相手チームは、

一切スキのないまさに完璧な布陣だったのです。

 

それに比べ、僕らのチームは

去年中心だったメンバーの何人かは既に引退しており、

どちらかと言えば戦力がダウンしている状況でした。

 

客観的に見て、相手との実力の差は明らかでした。

 

「さすがに今年は無理かー」

 

今年は二連覇がかかった大会でしたが、

多くのメンバーが心の中では、

半ばそれを実現するのは難しいと考えているようでした。

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しかし、もちろん僕は負け戦などするつもりはありませんでした。

 

相手がどんなに格上だとしても、

やるからには「勝つ」つもりでやる。

 

そうしなければ出場する意味がありません。

 

もっと大学生らしく遊んでいた方がマシでしよう。

 

僕は今回はダブルスで出場することにしました。

 

その理由は、その頃チームのシングル陣は強力で、

付け入るスキがなかなかないと思ったのが一つ。

 

しかしもう一つ大きな理由がありました。

 

僕は、ダブルスこそ番狂わせを起こせる可能性が

非常に高いと考えていたのです。

 

まず、第一にダブルスは

単純な個人の力の総和で勝敗が決まりません。

 

ダブルスはコートを2人で守ることができるので、

一人当たりの負担はむろん少なくなり、

オープンコートを作り出すのも容易ではありません。

 

そこで個の力+二人のペアワークやコンビネーション、

つまり戦術の重要度がシングルスよりも

さらに高くなるスポーツなのです。

 

それならば個のスペックでは明らかに劣っていたとしても、

ペアでお互いの弱点をカバーし、

逆に良さを引き出し合うことができれば、

十分に勝機はあると考えたのです。

 

しかも、決勝戦当日まではまだ3カ月以上もあります。

 

 

ペアとしてやるべきことを絞り、

徹底的に磨きをかけるには十分な時間があります。

 

そして僕はそんな圧倒的な強さを誇る

彼らを打ち破る突破口を見つけました。

 

その鍵は彼らのダブルスの陣形にありました。

 

彼らはおそらくほとんどのペアが

雁行陣で来るだろうと予想していました。

 

なぜなら、彼らの多くがネットプレーよりも

その強力なストロークを武器にしていたからです。

 

ダブルスならそこが一つ相手を崩すポイントになると思いました。

 

なぜなら僕らは逆にほとんどのペアが並行陣をとっていたのです。

 

それは僕らのサークルの伝統でもありました。

 

高校時代は無名の雑草的なプレーヤーの多い僕たちのチームは、

洗練されたストロークを覚えるよりも、

前に詰めて泥臭くポイントをとるスタイルをマスターした方が簡単だし、

効率的だと考えていたのです。

 

「雁行陣よりも並行陣の方が強い!」

 

これは古今東西変わらない定石です。

 

並行陣の方がネットに近いところから常に攻撃できるため、

雁行陣よりも攻撃力の面で有利なのは明らかです。

 

このように、

僕らの方がはじめから有利な陣形をとっている分、

しっかり自分たちがやるべき仕事をすれば、

必ず勝てる!

 

僕はそう考えていました。

 

僕の考えでは、スキのない並行陣を目指すために、

まず何よりも大事なのは「守備力」だと考えていました。

 

完璧な守備はそのまま攻撃になる。

 

どこに打っても「必ず帰ってくる」ことが

相手にとってプレッシャーになり、

しかもこちらがネットに詰めている分相手は

時間が奪われることになる・・・。

 

つまり、こっちが大事に繋いでいるつもりでも、

相手にとっては非常に嫌だということです。

 

「ミスをせずに返し続けることがテニスにおける究極の戦術である。」

 

シングルスだろうとダブルスだろうとそれは絶対に変わらない。

僕はそう思っていました。

 

そこで、早速僕は

「鉄壁のボレー」をマスターしようと試みるのですが・・・

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今回もお読みくださり、誠にありがとうございました!

 

強力な布陣ながら、相手のダブルス陣は

皆「雁行陣」だということに注目したKEITA。

 

それなら僕たちの得意とする並行陣を極めれば勝てる!

そう確信します。

 

そこでまずは「鉄壁のボレー」をマスターしようと試みるのですが、

他のメンバーの意見は・・・

 

是非二話以降もご期待ください!!

 

 

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