インナーゲーム⑧集中力こそ、テニスが上達するためのカギだった!

テニス画像69

テニス画像69

前回はどうしたら「自然習得力」を発揮できるようになるか、という話をするはずが、長々と脳の仕組みの話なぞしてしまい、申し訳ありませんでした。

 

ただ、脳の仕組みを理解してもらっていたほうが、これから話す内容もよく理解していただけるだろうと思ったのです。

 

それではついに核心に迫っていきたいと思います。

 

どうすれば右脳に効率的な運動学習を行わせることができるのか。

 

「インナーゲーム」の2つのエピソードを思い出して下さい。

この中で紹介したジョアンとママさんたちの事例では共通点があります。

それは、ジョアンは「ボール」に、ママさんたちは「フットワーク」に全神経を集中していたこと。

 

つまり、「ただ一つのことに集中していた」ということです。

 

そして、ボールの行方がネットになろうが、アウトになろうが、その結果には全く関心がなかったということです。

つまり、セルフ1、左脳による思考とも言い換えられますが、それはただ一つのことに集中していたため、セルフ2がやろうとしていることに、全くもって余計な指令は出さなかったのです。

その結果セルフ2は理想の運動を実行することに成功しました。

 

これらの結果からわかることは、セルフ2に最高の働きをさせるためには、セルフ1に余計な思考や感情を抱かせないことが重要であり、そのためには「何か一つのことに集中している」状態を作ることが大事だということです。

 

さて、それではテニスにおいて何に集中するのが最もよいのでしょうか?

 

私が考えるに、それはボールです。

 

なぜなら、テニスとはボールを自分の思ったようにコントロールすることで成り立つスポーツだからです。

 

よく、「今から自分はコーチに指摘された癖を直すことに集中するよ」という人がいますが、おすすめしません。

 

なぜか?それは、フォームの善し悪しなんてテニスには全く関係ないからです。

 

テニスはフィギュアスケートのような採点競技なのですか?

 

もちろん答えはNOです。

 

フォームがむちゃくちゃでも、ボールをコントロールできればよいのです。

 

二つ目の事例に出てくるママさんたちは自分のフットワークに集中していましたが、問題なのは、たとえそれで集中できたとしても、彼女たちはボールの行方にまったく意識がないということです。

 

それでは、たとえ結果的にボールがコートに入ったとしても「狙ったわけではない」のですから、当然試合では使えません。

 

「それでも時には自分の悪い癖を直すために、そのポイントに意識を集中させてもいいんじゃないか?」

と考える人もいるかもしれません。

 

確かに一理ありますね。

ただ、僕はさきほど「フォームの良し悪しはテニスには全く関係がない」と言いました。

 

ですので、そもそも「悪い癖」というのは存在しないのです。

 

そのことを「インナーゲーム」のもう一つの事例から説明したいと思います。

 

著者のところにあるフォアハンドのスイングに悩む男性がやってきました。

 

著者は具体的なスイングのアドバイスはせず、ただ「ラケットヘッドがいまどこにあるか、観察してください」と言って球出し練習を始めました。

そうして何球か打っていると、彼はいいボールを打てるようになりました。

 

彼はそうして何かコツをつかんだと思ったのか、

「そうか!自分はラケットを引くタイミングが遅かったのだ!」

と言って、それからラケットを意識的に速くテークバックするようになりました。

 

著者が最初に言った「ラケットヘッドの位置を観察しなさい」という言葉を忘れて・・・。

 

するとそれまでいいボールを打っていたのが、突如タイミングがずれ始め、ミスを連発するようになってしまったのです。

 

はい、この時彼に何が起こったのか、わかったでしょうか?

 

つまり、ただラケットヘッドを観察していた時は、彼もその「作業」に夢中になっていたため、セルフ1の働きがおさまり、その結果ベストなタイミングでボールを打てていたのです。

無意識のうちに必要なことはすべてセルフ2がやってくれていたのです。

 

しかし、この後彼の左脳はつい

「テークバックを速く引けばいいんだ!」

と「思い込み」、さらにその情報を言語化してセルフ1に伝達してしまいました。

 

でも・・・そんな単純じゃないんですよ、テークバックのタイミングって(笑)。

 

実際は右脳がそれこそスーパーコンピューター以上の働きをして、毎回変わる、飛んでくるボールの速さ、強さ、バウンドの伸びなどを正確に分析して、テークバックの「最適なタイミング」をコンマ1秒単位で割り出しているんです。

だから、バックスイングのタイミングを画一化するなんてことはそもそも不可能なんです。

 

それにもかかわらず、彼のセルフ1はひたすらセルフ2に

「ラケットを速く引け、速く引け・・・」

と命令を出すようになりました。

 

そうすると、それまでベストなタイミングで打てていたのが、一気に狂いだしてしまったのです!

セルフ1おそるべしです・・・。

 

このように、フォームを左脳で意識すること自体がセルフ2を妨害し、ひいては右脳による運動学習を邪魔することになるんです。

 

左脳はなんでも情報を簡潔化してまとめたがるんですよね。

そっちの方が便利ですから。

 

でも、フォームっていうのはそんな左脳によるただの「思い込み」だというふうに覚えておいてください!

前回も言った通り、言語化してる時点でアウトなわけです。

 

フォームについてはあくまで本当に簡単なイメージだけでいいんですね。

 

・トップスピン→下から上に振る

・スライス→上から下に振る

・サーブ上から打つ

 

はい、これくらいアバウトでいいんです。

 

左脳に与える情報源としては。後の細かい動作習得はすべて「右脳」に任せればいいのです。

 

長くなりましたが、結論は、

ボールに集中することで、僕たちは超効率的にテニスが上手くなれる

ということです。

 

実は多くの人がボールに集中できていないんです。

本当に集中していたら、人は何も考えられませんからね!

 

それでは次回はどうしたらボールに集中できるようになるのか?

その方法について見ていきます。

次回:集中するためには、視覚と聴覚を使え!

関連記事

  1. テニス画像64

    インナーゲーム⑨集中するためには、視覚と聴覚を使え!

  2. テニス画像75

    インナーゲーム⑮じゃあ、うまい選手のプレーは見なくていいの?

  3. テニス画像67

    インナーゲーム⑥セルフ2の力とは

  4. テニス画像68

    インナーゲーム⑦インナーゲームは脳科学でも説明できる!

  5. テニス画像60

    インナーゲーム①正直別次元の「技術論」です

  6. テニス画像65

    インナーゲーム⑤「2人の自分」=セルフ1とセルフ2の存在を知ろう

  7. %e3%83%86%e3%83%8b%e3%82%b9%e7%94%bb%e5%83%8f

    プロや上級者の打ち方が万人にとっての「正解」ではないということ

  8. テニス追加グリップ

    ラケットを短く持ったり長く持ったりすると・・・

  9. テニス画像62

    インナーゲーム③「フォームありき」の上達法に代わる【次世代の上達法】

PAGE TOP