どうも、KEITAです。
いよいよ佳境を迎えようとしている全豪オープン。
錦織選手は準々決勝で王者ジョコビッチの前に敗れましたが
それでもベスト8ですからね!
次回の全仏オープン、そしてリオオリンピックこそ
ベスト4以上に進出してほしいところです。
僕もここ数日は全豪の試合をYouTubeで見て分析分析・・・。
(最近は本当にすぐにYouTubeに試合の動画があがるので本当に助かる)
で、今回取り上げたいのは男子シングルス2回戦の
A・マリー対S・グロス。
もちろんマリーはビッグ4の一角にも数えられる
正真正銘のトッププレーヤー。
世界ランク67位のグロスが相手では
正直誰もがマレーの”圧勝”を予想したでしょう。
ただ、グロスはその恵まれた体格を生かしたサーブ&ボレーヤーで、
強烈なサーブなどの「一発勝負」に持ち込まれて波に乗られたら
マレーも嫌なはずです。
では、そんなネットに突進してくる相手に対し
マレーはどんな戦略で臨んだのでしょうか?
答えは・・・
トップスピンロブで徹底的に相手の頭上を狙うこと
でした。
ハイライト動画を見た限りではありますが
相当の数のトップスピンロブを放っています。
もちろん、マレーは普通の試合では
ほとんどこのようなロブは打ちません。
つまり、グロスの中に「マレー=ロブ」というイメージは
なかったため、このような展開は予想していなかったでしょう。
さらに、マレーは「ツアー随一」のコートカバー力を持つ選手です。
なので、グロス的には
「一歩でも前に詰めて決定力のあるボールを打たなければ」
そう試合前から思っていたはずです。
(ネットでは前に詰めれば詰めるほど守備範囲は狭くなり、
またネットの上でボールをとらえらえるので攻撃力も上がります。)
そこでグロスはサーブやチップショットから
早々にネットに突進していきます。
「できるだけ前へ、前へ・・・」
ただ、マレーはそんなグロスの心理を
完全に読んでいました。
だから、前に詰めるグロスに対して
これでもかというくらいロブを多用したのです。
その作戦は見事にハマり、
グロスはことごとく頭上を抜かれていきます。
自身の得意なプレーを封じられたグロスは結局波に乗れず、
セットカウント3-0でマレーの前に敗れ去りました。
このようにネットプレーヤーにはパッシングだけでなく、
ロブも非常に有効です。
パッシングはついつい厳しいコースを狙いすぎて
ミスしてしまうリスクがあるのに対し、
ロブならサイドアウトの危険性はほぼありません。
つまり、ネットプレーに対して安全に対処するなら
絶対にロブも手札に入れておいたほうがいいのです。
さらに、ロブを使うもう一つの効果として、
相手にロブかパッシングか”迷わせる”ことができます。
完全にパッシングだけ、ロブだけしか返ってこないとわかれば、
それを封じることに集中すればいいので
そこそこのレベル相手なら簡単に対応されてしまいます。
しかし、これがパッシングかロブ、
常にどっちが来るかわからなければどうでしょう?
相手はこちらの返球を「予測」することができず、
結果、迷いが生じて動きやポジショニングが若干遅れてしまいます。
そうなればもう怖くありません。
試合の主導権は完全にこちらの手の中です。
今回のマレーのように試合巧者ほど
相手に自分の手札を読ませず、かつ
相手が自分の長所を出せないように仕向けます。
そのために序盤から様々な選択肢を見せておき、
ときに相手に「偽物」を掴ませながら
ここぞという大事なところで本当の「切り札」を使うわけです。
今回は「ネットプレーヤーに対して
ロブとパッシングを使い分ける」という割と単純な戦術でしたが、
これと同じような駆け引きは
テニスでは他にも様々な場面で使われています。
もし、そのような駆け引きを学んで
今自分が持っている技術を最大限に活かして
「ずる賢く勝ちたい」というのであれば、